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ZEN OS 合宿 in 鎌倉

〜ZEN OSで語る 過去・現在・未来〜

5/27〜28日に鎌倉@ミライエでZEN OSの合宿を行った。ミライエとは、鎌倉の昭和の古き良き茶室のある日本家屋である。私たちスタッフは、ZEN OSのコンセプトや世界観を掴むために円覚寺の見学、座禅体験を行った。なお、円覚寺は、北条時宗が南宋より招いた無学祖元という禅僧のゆかりの寺である。

1 禅の世界

私たちの作るZEN OSは、あらゆるコミュニティが通貨を持ちコミュニティを作ることが出来るOSである。ZEN OSにおいては、国境を超えた無数のコミュニティがそれぞれの価値観に基づきコミュニティを運営する。

かつて臨済宗の禅寺の世界もまた、ZEN OSそのものの世界であった。臨済宗の僧侶は、中国、朝鮮、日本と東アジア地域一帯の禅を基盤としたコミュニティあった。日本人や中国人という意識でなく、禅の価値観で一体化したコミュニティだ。

北条時宗の師匠である無学祖元を始め多くの禅僧が国師としてブレインに従事したそうだ。禅寺の国境も地域を超えたネットワークを基礎として学問、貿易を鎌倉時代から室町時代にかけて仕切ったのだ。

寺は、当時最先端の文化を集めた”文化センター”であり、中国からの油、芸術品、仏典、奢侈品を取り扱うことが出来た。また、中国、朝鮮、日本で国師や学者としても禅僧は活躍したので、そのネットワークでは政治的な情報をやり取りもしていた。

鎌倉時代から戦国時代にかけて、禅僧のネットワークで貿易が行われた。

元寇のわずか三年後には、元との貿易が再開したが東アジア一帯の禅僧のネットワークを通じて行われた。室町時代に日明間で正式な国家間の貿易(勘合貿易)が再開されるが、それまで私貿易を仕切ってきたのが臨済宗の禅僧だ。会計の知識もあり大変重宝された。

経済・政治でネットワークを持っていたのだ。

私たちは、一国一経済でも野放しの巨大なグローバルな市場でもなく、人的ネットワークを基盤としたコミュニティが無数にあり、なおかつ複数所属する社会をイメージしている。それは、かつての臨済宗の政治経済ネットワークと重なるのだ。

そうした世界に思いをはせながら禅寺を見学した。

2 合宿について〜マーケティングチーム〜

合宿では、開発チームとマーケティングチームに別れ作業した。

筆者である私は、マーケティングチームとして現代社会の分析を行った。以下のようにイデオロギーを分析をした。

私たちは特にB2がZEN OSの担い手になると考えている。B2は、小さな政府を支持し、市場経済で価値を発揮しながらマイノリティの権利や市民社会の実現、という考え方を支持する。貧困や環境問題については、国境を超えて市民社会の連帯を通じた解決という方法論を取る。B2の世界観を体現するものとしては、アムネスティインターナショナルや国境なき医師団、スローライフ運動に現れている。

日本中そして世界中が、「あらゆるものは無である。よって、あらゆるものに価値がある。」という価値観に基づき、運営される。そんな社会を通貨を通じて作るのが私たちのイメージする社会だ。

3 今後の課題

今後のマーケティングチームの課題としていかに二点が持ち上がった。

一つは、国境を超えたコミュニティのイメージ。すなわち、国境を超えたコミュニティをZEN OSを通じて実現するか、ということだ。例えば、ユダヤ人や華僑のイメージが漠然として筆者にはあるが、まだまだ構想中だ。

また、通貨を作る時に既存の経済指標に変わる指標として、どうやって社会関係資本や人的資本を作るかが課題となりそうだ。ご近所の助け合いをどのように通貨の指標としていくか、コミュニティの価値をどのように通貨の指標とするかは、今後の課題として持ち上がっている。